特集と展望
地政学、メディア・フレーミング、政策のトレードオフ、社会的影響に関する長編分析。

751年タラス河畔の戦い:唐・アッバース朝・カルルクと製紙術伝播の実像
751年のタラス河畔の戦いを史料批判に基づいて詳説。高仙芝とズィヤード・イブン・サーリフ、チャーチュとフェルガナ、カルルクの離反、兵力数の不確実性、唐の後退、イスラーム化、捕虜が製紙術を西へ伝えたという通説を検証する。

バグダードは誰が建設した?762年の円城とマンスール
マンスールが762年に建設したマディーナト・アッサラームの四門、円形計画、史料、郊外への拡大と知恵の館の神話を解説します。

アッバース革命747-750年:原因、経過、ザーブ河畔の戦いとその後
ウマイヤ朝末期の危機、ホラーサーン、アブー・ムスリム、黒旗、747-750年の進軍、ザーブ河畔の戦いを史料に基づいて整理し、単純な民族対立説を検証します。

ジャービル・イブン・ハイヤーン:錬金術、化学、文書群と生涯
ジャービルの論争的な生涯、複数世代の文書群、物質を扱う錬金術、アラビア語ジャービルとラテン語偽ゲベルの違いを解説します。

イブン・アン=ナフィース:肺循環、生涯と『医学典範』注釈
イブン・アン=ナフィースが記した肺への血流経路、イブン・シーナー『医学典範』批判、近代の再発見、ハーヴェイとの比較を史料に即して説明します。

アル=ザフラウィー:『医学処方集』、外科、器具、生涯と遺産
アル=ザフラウィーの生涯、『医学処方集』全三十部、外科巻と器具図を資料から整理し、「外科の父」と全器具発明説の限界を示します。

アル=ビールーニー:地球半径、インド、天文学と方法
アル=ビールーニーの地球半径推定法、インドとサンスクリット研究、天文学を説明し、広く流布する精度の主張を検証します。

イブン・シーナー(アヴィセンナ):『医学典範』、生涯と遺産
イブン・シーナーの生涯、『医学典範』全五巻、哲学、翻訳と受容を史料から整理し、中世医学を現代診療と区別します。

イブン・アル=ハイサム:光学、暗箱、科学的方法と生涯
『光学の書』、視覚論、暗箱、イブン・アル=ハイサムの実験を資料に基づいて解説し、科学的方法を一人で発明したという表現の限界を示します。

ビーマーリスターン:中世イスラム世界の病院史
患者、ワクフ、医師、薬局、医学教育、精神医療を通してビーマーリスターンをたどり、近代病院との比較の限界を示します。

アル=フワーリズミーが代数学とアルゴリズムに残したもの
アル=フワーリズミーの生涯、方程式の六分類、インド式計算法、algebraとalgorithmの別々の語源、天文学、地理学、ラテン語翻訳とゼロ発明説を史料別に検証します。

バグダードの知恵の館:歴史、翻訳運動と1258年の神話
バイト・アル=ヒクマ、アッバース朝の後援、翻訳者、マアムーン、制度像の不確実性、衰退、1258年破壊説を検証するガイドです。