切り出した陶片がゼリージュの幾何学モザイクを形づくる仕組み

切り出した陶片がゼリージュの幾何学モザイクを形づくる仕組み

Muslim Post Editorial Desk@muslimpost

ゼリージュを、釉薬をかけた陶片と目地、星形模様の組み合わせから読み解きます。フェズ、アルハンブラ宮殿、博物館の年代が確認できる作品を比較し、建築空間への適合、2011年の現代制作と古い柱、陶器と後世の石膏補修を区別します。地域や用途の不確実さも資料に沿って示します。

ゼリージュは、釉薬をかけた陶片を一つずつ組み合わせて、大きな構図をつくるタイルモザイクです。モロッコや西方イスラーム圏の建築伝統と深く関わっています。星形や絡み合う帯は、実際の陶片と目地をまたいで組まれます。模様は一枚のタイルに描いた絵だけではなく、素材そのものの配列です。フェズ、アルハンブラ宮殿、博物館の作品を見ると、陶片と目地、建築空間への適合、個別作品の年代を比較しながら、原材、現代の工芸制作、修復を見分けられます。

博物館の出版物には、zellij のほかに zillij や zilij という綴りもあります。グラナダのアルハンブラ宮殿にある関連の切り片タイル作品は、スペイン語の記録で alicatado と呼ばれます。星形のある面をすべて同じ技法とみなすより、名前と資料が確認できる作品を比べるほうが具体的です。現代のモロッコの施工、中世ナスル朝のパネル、後世の石膏による模倣は、外観が似ていても素材と歴史が異なります。

施釉タイルから組み合わせるモザイクへ

アルハンブラ宮殿のバルカの間の壁面タイルに関する記録は、正方形の施釉タイルから切り出した陶片を説明しています。粘土の素地を、色のついたガラス質の表面が覆います。切り出すことで構図に必要な形が得られ、それらを組み合わせることで大きな模様になります。小片、釉薬のかかった表面、完成したパネルは、別々に見るべき三つの対象です。一つだけを見ても、全体の組み方は分かりません。

組み合わせの問題を理解するため、紙で模型をつくる場面を考えてみましょう。中央に星形を置き、周囲に合う多角形を切り、端が重ならないように並べます。次に、一つの多角形の幅を変えます。隣の片は移動するか、隙間を残すことになり、その変化は次の星形にも影響し得ます。この練習は、目立つ中心模様を描くのと同じように、つなぎの部材が正確に合うことが重要だと示します。組み合わせの問題を説明する模型であり、記録された中世の工房手順を復元するものではありません。

幾何学模様を絵付けしたタイルは、別の構造を持ちます。一つの陶製の素地の上に、複数の色や形を描けます。切り片のモザイクでは、独立した陶片の境界が模様の一部を担います。まず、物理的な目地がどこを通るかを確かめます。小さな色の形を一つずつ囲むのか、それとも一枚の正方形タイルが複数の形を表面に載せているのか。表面模様と陶片の形式を分けて記録すれば、外観の似た作品の構造を取り違えにくくなります。

この区別は、広い分類としてのモザイクとの混同も防ぎます。ヒルバト・アル=マフジャルの建築モザイクを扱う記事は、別の場所と素材史を取り上げています。「モザイク」は部材を組み合わせることを示す語であり、それだけでモロッコの施釉タイル工芸を特定するわけではありません。同じ分類名でも、素材や部材の形式、建築上の背景まで同じとは限りません。

バルカの間の一つの構図を読む

アルハンブラ宮殿は、バルカの間(Sala de la Barca)の腰壁タイルを、ムハンマド5世がコマレス宮で進めた約1369年の工事に関連づけています。記録は、八角形をつくる白い帯と、その内側の黒または青の、八つの先端を持つ星形(八芒星)を示します。星の周囲には四つの黒い片と四つの緑の片があります。これは、この構図の具体的な情報であって、すべてのゼリージュに必須の配色ではありません。一作品の記録を伝統全体の規則に広げないことが大切です。

二段階で見てみましょう。まず白い帯をたどり、帯が囲む八角形を見つけます。次に、その内側の色のついた片を見ます。帯は模様の広がる面を組織し、星形は中心を与えます。星の尖った先の数だけを数えると、周囲の片や、隣の単位との共有部分を見落とします。構図を説明するには、分かりやすい中心模様と、次の模様につながる網目の両方が必要です。

この見方は、色の構造上の働きも分かりやすくします。すべての片を同じ色にしたと想像すると、目地で残る境界はあるものの、白い帯の経路は追いにくくなります。色は別々の陶片を一続きの線に見せたり、中心を周囲から分けたりできます。これは記録された構図の読み方についての観察です。白、緑、黒、青に、常に共通の象徴的意味があると証明するものではありません。

八角形、八芒星、その周囲の八片は、違う対象を数えています。写真を比較するときは、輪郭、中央の模様、周囲の部材を分けます。同じような数字の説明でも、模様の別の段階を指している場合があります。星の先端の数から、陶片の総数を直接決めることはできません。まず何を数えた数字なのかを確かめてから、作品間の比較に使います。

繰り返す模様を特定の壁に合わせる

模様を繰り返せば、建築上の問題がすべて解決するわけではありません。パネルには幅、高さ、端、隣接する面があります。セロ・デル・ソル(Cerro del Sol)の宮殿から残った作品を扱うダール・アル=アルーサのパネルの記録は、ある建築空間に合わせた模様と比率の選択を重視します。枠と内側の模様は一緒に機能する必要があります。一つの反復単位だけでは、端を含む全体の配置は説明できません。

簡単な配置の練習を考えます。星形を中心とする同じ大きさの単位を三つ、長方形の中に置きます。単位を変えず、長方形だけを少し広げます。すると、縁を太くするのか、間隔を変えるのか、単位の縮尺を調整するのかを選ぶ必要が出てきます。どの選択も中心と端の関係を変えます。これは資料が論じる適合の問題を説明する例であり、失われたパネルの制作者が実際に選んだ方法を特定するものではありません。

2011年4月に公開されたMexuarのパネルの説明は、より具体的な幾何学の例を示します。斜めの正方形格子を別の正方形格子に重ね、正方形と八角形の骨格をつくります。中央の面には八つと十六の先端を持つ構成が組み合わされ、狭い帯には色のリボンが絡み合います。博物館は陶製部材を、切り出すか、型を用いて成形した単色の施釉片と説明しています。

最後の点は、製法を一律に語ることに制限を与えます。型による成形片という記録を、すべての部材を同じ方法で切ったという主張に置き換えることはできません。反復単位の幾何学は、別の記事で円、格子、繰り返す星形を説明しています。ここでの問いは、構図がどのように実体を持ち、割り当てられた面を占めるかです。幾何学的な関係と、部材の材質や成形方法を一緒に確かめます。

フェズと建築工芸の継続

フェズは工芸の建築的な背景を示しますが、そこに残るすべてのタイルの年代を与えるわけではありません。ユネスコのフェズ旧市街の記録は、マリーン朝による大きな都市発展を13~14世紀に置き、建築知識や装飾工芸の継続を認めています。旧市街は1981年に世界遺産一覧へ登録されました。登録されたのは歴史都市です。ゼリージュだけが別のユネスコ登録を受けたという意味に広げてはいけません。

2017年4月の文章で、メトロポリタン美術館(Met)の研究者コートニー・A・スチュワートは、約1350年に建てられたブー・イナニア・マドラサの多色ゼリージュ、彫刻したスタッコ、シダー材の木工を説明しています。また、1993年に完成したカサブランカのハッサン2世モスクでも、タイルモザイクの継続を示します。二つの建物は、続いている造形語彙と、特定の施工の年代を具体的に分けて考えられる例です。

星形を比べる前に、素材を比べます。腰壁のタイル、彫りを施した石膏面、木の天井は、いずれも模様を使えても、制作と維持の仕方が異なります。中庭全体の写真は、これらの層を一つの装飾的な印象にまとめてしまう場合があります。層の境界を見れば、陶片の組み合わせ、石膏の彫刻、木工を再び区別できます。同じ空間で使われることと、同じ素材であることは別です。

継続は、後のすべての職人が以前の工程を一つも変えずに再現したことを意味しません。名前の確認できる建物が、異なる時代に関連する形や素材を示しているということです。建物の年代、残ったパネルの年代、修理の特定は、別々の問いとして残ります。一つが分かっても残りが自動的に決まるわけではありません。建物全体の年代を、すべての部材へそのまま当てはめないようにします。

2011年に制作されたMetのモロッコ中庭

パティ・カドビー・バーチ・モロッコ中庭(Patti Cadby Birch Moroccan Court)は、資料で制作が確認できる現代の作品で、素材の層を見られます。Metの教育用出版物、Unit 3は、フェズのNaji家とArabesque, Inc.が2011年に館内で制作したことを記しています。壁の下部は色のついた切り片タイル、その上は彫刻したスタッコ、上段は彫刻した木です。収蔵品となったナスル朝の大理石柱も組み込まれ、その年代は約1350~1400年です。

つまり中庭は、現代の手仕事と古い部材を一緒に使っています。タイル部分を、モロッコやグラナダから丸ごと移した中世の部屋と呼んではいけません。同時に、現代の作品だからといって、工芸の工程が架空というわけでもありません。博物館は制作者、制作年、素材を示しています。信頼できる説明は、歴史的なモデルと新しくつくられた建築空間の両方を認められます。古い柱があることは、周囲の新しいタイルの年代を変えません。

ジュリア・ルーニーによる2015年4月の展示室の解説によると、中庭の tastir 模様では、70種類の形を個別に切り出し、八芒星と十六芒星へ組み合わせています。70は、この施工で使われた形の種類を数えたものです。各パネルの陶片が全部で70枚という意味でも、あらゆるゼリージュが従う公式でもありません。部材の種類と部材の総数を分ける必要があります。

この例は、一枚の星形の型紙だけでは完成したパネルを説明できないことを示します。中心、つなぎの部材、縁が、それぞれ全体の面に関わります。複雑さを説明するときは、星の先端、反復する中心、一つずつの片、異なる形の種類のうち、何を数えたかを明示します。分類を混ぜると大きな数字は示せても、作品の構造は分かりにくくなります。数字を比較する前に、その数字の対象を決めます。

似た星形でも陶製素材の伝統は異なる

切り片の陶製モザイクは、西方イスラーム圏だけに限られません。シカゴ美術館の「十二芒星」、収蔵番号1925.40は、15世紀末の作品とされ、地域はイランまたは中央アジアに位置づけられています。記録は、施釉した陶製素材 fritware(フリットウェア)のタイルを切り、モザイクとして再び組んだものと説明します。同じ時代の他の星形タイルには、単体で焼成した例が多いことも記しています。

この比較では、完成品の輪郭と、そのつくり方を分けます。星形の物体は、一つの陶製部材の場合も、小片を組んだ場合もあります。逆に、組んだ面の中の星形は、大きな長方形の構図の一部分にすぎないことがあります。外側の形だけで、素材構造を決めることはできません。見える形を、部材の物理的なまとまりと合わせて調べる必要があります。

シカゴの作品は、ターコイズとコバルトの色で花や巻きつく植物模様を含みます。幾何学構造と植物装飾が、同じ作品の違う段階で働く例です。アラベスクの葉や巻き草の記事は、その植物の語彙を扱います。また、イスラーム美術すべてが具象表現を排除するという広い主張は、人と動物を表した博物館作品が示すように、限定して考える必要があります。一種類の装飾の説明を、美術全体の規則にはできません。

シカゴの記録は、説教壇、大きな広間、マドラサを、このモザイクの当初の設置場所の候補として挙げます。候補は可能性のまま残ります。星形や素材だけで、特定の建物に由来すると確定することはできません。モロッコのゼリージュと呼ぶことも、館の地域上の位置づけを無視してしまいます。収蔵記録に残る不確実さは、説明の中でも保ちます。用途の提案は、出土地や元の建物の確定とは違います。

タイルに見える面が歴史的な修復の場合

修復後の外観は、とくに誤解を招きやすくなります。Pilar de Hoyos Alonso、Isabel Sánchez Marqués、Fernando Guerra-Libreroによる2021年のCuadernos de la Alhambraの研究は、Sala de los Reyesの腰壁を調べています。1858~1859年、ラファエル・コントレラスは傷んだタイルを、元の施釉陶器の装飾をまねた石膏の再現物で置き換えました。その後も湿気が続き、置き換えた部分の劣化も進みました。見た目を合わせても、建物の湿気の問題が解消したわけではありません。

著者たちは、残る原材と19世紀の再現物の両方に行われた2011~2012年の保存作業を論じています。後に加えられた層も、すでに部屋の歴史の一部になっていました。途切れずに続くように見える幾何学面でも、複数の素材と複数の介入時期を含む場合があると分かる例です。同じ模様だから、年代や材質まで同じとは限りません。原材の記録と、修復の履歴を一緒に読みます。

訪問者にとって有用なのは、どこが元の陶器で、どこが後の補充で、保存記録が何を確かめているかという問いです。模様の一致は素材の一致を証明しません。写真だけで劣化の原因を特定したり、処置を選んだりすることもできません。外観の似方と建物の湿気の問題は別であり、この記事は修理の仕様書ではありません。保存処置の判断は、表面の見た目だけから導かないようにします。

カバーのイラストは、AIの補助を用いた工芸場面の再構成です。特定の歴史的工房、建造物、現存パネルを撮影した写真ではありません。名前を挙げた作品については、リンク先の博物館記録や保存研究を使ってください。そこで示される年代と素材の説明は、イラストの外観だけより確かな比較を可能にします。画像は場面を説明するためのもので、個別作品の所在や状態を証明するものではありません。

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