
キターブハーナ:宮廷写本工房の内部と協働のシステム
ペルシア語圏の宮廷図書館兼工房における、書家、画家、製本職人らの協働プロセスと、写本の製作工程を紐解きます。
「キターブハーナ」とは文字通りには「本の家」を意味し、ペルシア語圏の宮廷において図書原籍の保管庫(図書館)と、新たな写本を製作する組織化された工房としての役割を同時に果たす、高度な行政機関でした。
カバー画像はAIを補助に制作した独自の歴史的再構成で、特定の建造物、工房、作品を撮影したものではありません。
素材・構造・使われ方
写本製作は、本文を揮毫する書家、挿絵を描く画家、余白を装飾する彩飾師、紙を綴じる製本職人など、多様な専門家の協働により行われました。製作は、紙の折本の計画から始まり、書写、挿絵用の空白の確保、彩色、製本へと順次進められました。
正確に見分ける方法
「名作写本は一人の天才芸術家によってすべて仕上げられた」というのは誤解です。実際には、職人たちの流動的なネットワークによる分業体制が敷かれていました。奥書(コロフォン)や物質分析を通じて、この協働の実態が解明されています。
資料
- The Met: Art of the Islamic World, Unit 5 — courtly manuscript production and painting.
- The Met: The Kitabkhana of the Royal Palace — object depicting stages of book production.
- The Met: Islamic Art and the Art of the Book — bookmaking, patronage and collaboration.





